【エンゲージメント・マイ・ディア・サング・バイ・ロリコン・クワイア】

「シュビドゥヴァーズめ。夏コミやM3に飽き足らず、今度は冬コミ参加だと?落選したけど別のサークルで委託販売だと!楽し…いや!」アオイコの様子がおかしい。すさまじい感情のばくはつ!「しかも、しかも新作の男声合唱譜は…ああ!『約束』だと!」彼は思わずあたまを抱えます。堪え難い煩悶…。

「『約束』」アオイコの目がぶきみに光ります。「『約束』。忘れもしない…20話!家族。仲間。愛のストーリィ…」彼の脳内には青い光の渦の中、仲間に支えられて歌を歌い、涙を流すオーガニックアイドル少女の姿がフラッシュバックします。「認めないぞ!僕は!シュビドゥヴァーズ許すまじ!」

 そう。過剰な合唱アトモスフィアを摂取してあたまがおかしくなったアオイコは、すでに入稿が済んでいるという男声合唱譜『約束』のデータを改竄してペンギンやポメラニアンのお散歩風景を収録したDVDに差し替えるため、ここザ・シュビドゥヴァーズのひみつへんきょくアジトに潜入しているのでした。

「『約束』の男声合唱だと?ぼくの許可もなしに!合唱編曲?それは俺の記憶への介入!20話は輝かしい思い出なんだ!それを裏切っている…P歴20年の俺を。そもそも頒布というのが気に入らない。キャピタリズム暴走…。ぼくは今でも「幼女ペロペロ」がいつ非公開にならないか常に監視しているのに」

「幼女ペロペロ…そうだ!これをきっかけにシュビドゥヴァーズのやつら、ハナヤマタやコネクトも販売するつもりに違いない。俺は油断が少ないから分かる。apporoとかいうのでもなんかやってた。知ってるぞ!やはり最後は…CD・楽譜化。動画全削除?課金な…」「どうしたのかね?」背後から声!

【THE SHUBIDOVERS】



【THE SHUBIDOVERS】

 アオイコは声のした方を振り返りました。おお、そこには白と黒の装束に身を包んだ、穏やかな顔つきのマレーバクが立っているではありませんか。あれはツイッター担当エス!「アオイコ、落ち着きなさい」しかしアオイコの顔は憤怒に燃え上がります。「貴様ァー……」「削除はないと前にも言ったはずだ」

「黙れ絶滅危惧種め!」アオイコは罵りました。「ぼくは古参Pだ……。ジャンルの新参者たる一介のマレーバクがこのぼくにそんな口を聞いていいと思っているのか!《約束》の男声合唱編曲だなんてこの俺が許さぬ!惨めに在庫を抱えて頓死するがいいわ!」「否、お前はアオイコではない!」マレーバクが光る!

「グワーッ!」「アオイコのような気持ちになることはどのジャンルでも避け得ぬ問題だ。しかしそれに甘んじてはならぬ。古参は新参を導くメンターであって、絶対君主ではないのだ。アオイコよ、目を覚ますのだ!」

「やめろ、無駄なことを……グワーッ!?」アオイコの口から、以前に消滅したはずのあんこくそんざいが溢れ出る!それは以前より強力であり、コーマスで《約束》をサプライズされたアイマス合唱部員たちのなんかを吸って膨らんでいるのか!?コワイ!

 しかしツイッター担当エスは怯まなかったのです。なぜならこのマレーバクは普段森林に佇み若芽や水苔を食む穏やかな存在ではありますが、まことの存在、幻想を編み夢を渡る尊い血筋を引くものなのです!

「ヒビキ・ヴォイス!イヤーッ!」「グワーッ!」「セリフ・ソロ!」「グワーッ!」「ボンジャン!」ツイッター担当エスは身を低く構え、苦しむあんこくそんざいに対峙する!みんな!ここで事前に配ったサンプル音源を聴いてマレーバクをおうえんして!

 みんな、ありがとう!サンプルから流れるエネルギーがマレーバクをさらに輝かせる!「イイイイヤアアアーッ!ボンジャン・テイパー・ケン!」「アバーッ!」あんこくそんざいはテイパー・ケンのちょくげきをうけて爆発!粉々のカケラが叫ぶ!「次こそは絶対にだーッ!」……

 ……「立つんだ。アオイコ君。立てるかね」「う……」アオイコは涙をぬぐい、起き上がりました。その時です。「アオイコめ!」「アオイコ!」ナムサン!マレーバクが振り返ると、そこには大勢のPが!「バカものめ!」「ざまあみろ!」石が投げられる!「ウワーッ!」

「よしなさい!」マレーバクがまた光った!「アアアーッ!」群衆が目を押さえる!「眩しい!」「仲良くしなさい。奥ゆかしく、Pとしての心を忘れずに」マレーバクは言いました。「争いは、かなしい。たんとうアイドルがそんな姿を見ればかなしむだろう」「ごめんなさい」アオイコと群衆は謝りました。

「我々は、我々の決めたことをやる。合唱アトモスフィアは広がり……合唱祭……宇宙。音源の公開はその一環だ。しかしあんしんしていい。ただしそれはリスペクトあっての行為であり、アイマス、ポケモン、まどマギ、いずれの媒体にも合唱ミックスメントプラスアルファがある」

 アオイコは目を拭い、ばつがわるそうにツイッター担当エスを見ました。マレーバクはニッコリ笑いました。「さあ、アジトに戻っていっしょにご飯を食べよう。なにせペヤングを大量に買い込んでしまったんだ。もちろん、きみたちも」と、その場にいた皆を招きます。笑顔が続いて行きます。よかったね!



【エンゲージメント・マイ・ディア・サング・バイ・ロリコン・クワイア】◆FIN◆

アニソン合唱企画

合唱音源

CD・楽譜通販

イベント参加情報

ブログ

Twitter

問い合わせのメールはこちら
[the_sdvs☆hotmail.co.jp]/
■スパムメール対策の為、メール送信の際は☆を半角の@に変えて下さい。

inserted by FC2 system